留年ポンコツまるけーのブログ

留年ポンコツ学生の日常と航空宇宙工学

「理解」の水準

こんにちは,まるけーです.

コロナで日本中大騒ぎですが地方のド田舎にある大学なので東京と比べると,静かで普通に4,5月も研究していました.このような時だけは地方でよかったと思います.皆さんも地方に住むことをお勧めします(車は必須)

さて,久しぶりの更新ですが技術的な話はしません.ふと,研究室の後輩たちを見て思ったことがあったので書きます.独り言みたいなものです.

 

”理解”の水準

 人は常に学び続ける生き物ですが,研究をする人にとってはことさら「学習」は重要です.完全に1から自身で理論を積み重ねていくことは,ここまで科学が発達した現代において不可能かつ無意味でしょう.先人たちの成果を「理解」してしまえばおしまいです.

ここで,「理解」に絡む話として最近,Twitterのネタで「C++を完全に理解した(理解したとは言ってない)」といったツイートがありますが,今回お話ししたいのはこれに関連しています.つまり,「完全に理解した」というのをネタとして扱っているように完全な理解には到底及び得ず,どこかで妥協が必要となる.この,妥協点についてのお話になります.

 なぜ,こんな文学というか哲学みたいな話をするかと言いますと,研究室でセンサが4つもある特殊なカメラをUSBケーブルでつないで使用しているのですが,先日その制御用のパソコンが壊れてしまいました.そこで,新たに購入して動作確認をすることになりました.私が使用する実験機材ではないのですが,気になって実験を覗いてみるとカメラからのUSBケーブルをすべてマザーボードのUSBに刺していました.100FPSでそこそこのレゾリューションの動画をとるので帯域はかなり必要です.PCに詳しい方ならわかると思いますが,マザボに全部刺すとホストコントローラの帯域が足りません.つまり,撮影できない事態に陥ります.もちろん事前にPCIeにホストコントローラ4つ付きの拡張パーツはつけてありました.

「どうしたんだXX君,何のための拡張パーツだ!これはいけません」(松下アナ風)

 ここで,ふと思いました.「たしかに,USBの帯域なんて普通は考えないな」と...

USBなんてとりあえず刺せば認識するし,端子が青いやつ同士で刺せばデータ転送が速いくらいの認識の人がほとんどでしょう.ただ,私としては大容量のデータをやり取りするから,通信速度が足りるのかな?ぐらいは考えてほしかった.そこまでいかなくてもポート数が足りるのになぜ拡張パーツを付けたのか?といったことを考え質問してほしかった...

最近は物の動く仕組みを知らなくても使える.スマホがいい例です.ただ,工学の研究をしている人間ならば,自身の研究に関連する事柄や使う機材についての最低限の原理に対する「理解」が無ければならないと思います.

完全な理解は不可能です.したがって,個々人で理解したとみなせる「理解の水準」を持たなければいけません.その「理解の水準」を持っていない,もしくは低い場合.先に挙げた例のような事態が起こってしまいます.私の「理解の水準」は人に説明できるかどうかです.もう少し詳しく言うと,「自身が使用する機材や理論に関して簡潔な説明ができる」というものです.

 人に説明できるかどうかは私の個人的な水準です.皆さん(特に研究室に入ったばかりの学生)はこのブログを読んで自身の「理解の水準」を決めてみてください.

 ちなみに,私がブログを書くのも自身の理解を確認するためです.

 

次回の更新は気分次第です.7月には更新したい(更新するとは言ってない)