留年ポンコツまるけーのブログ

留年ポンコツ学生の日常と航空宇宙工学

研究室の選び方(工学系)

こんにちは,まるけーです.院試合格しました.

しばらく更新が止まってました.ゴメンなさい.

さて,今回のテーマは研究室選びです.個人的には大学選び以上に重要となる選択だと思います.なぜなら,研究室は進学並びに就職に直接大きな影響を与え,研究者として生きていくなら今後の研究テーマを決定づけるからです.

”良い研究室”の探し方と進路決定について書いていきます.

 ”良い研究室”とは?

”良い研究室”とは何でしょう?極論を言うと人によって違います.しかしながらどのような人が研究室を選ぶ際にも気をつける点があります.出来るだけ多くの人にとって有意義な記事になるように項目を分けて書いていきます.

後輩の研究室選びの話を聞くと”楽な研究室”と”忙しい研究室”この二つのワードをよく聞きます.個人的な分析ですが,学部卒業で就職する人ほど”楽な研究室”を選ぶ傾向にある気がします.おそらく就職活動のことを考えての判断でしょう.やはり,研究室選びにおいて就職と進学で考え方が大きく異なる気がするので,この二つを分けて書いていきたいと思います.

 学部卒で就職を考えている人にとっての”良い研究室”とは?

 前提条件ですが,「この企業に入ってこの研究開発がしたい」といった目標がある人は出来るだけ修士を出た方がいいです.特に研究開発は大手になるほど修士の学生を欲しがります.また,後ほど書きますが研究室のコネと言ったものは修士の方が有利に働きます.

 ここではとりあえず大学を出てお金を稼ぎたいと思っている人向けに書きます.研究室選びで最優先すべきことは時間に自由がある研究室を選びましょう.言い換えれば研究室にコアタイムが無い,卒論テーマが決まるのが遅い(ただ年末がキツくなる),そしてコネがある研究室を選びましょう.コアタイムの有無や,卒論テーマ決定の時期は先輩や研究室訪問の際に尋ねましょう.コネがある研究室の探し方は簡単で二種類方法があります.

1.大学院入試に落ちた先輩がすんなり就職が決まった研究室

2.ほぼ毎年同じ企業に就職する人がいる研究室

1.は大学院入試に落ちる人はレアなので探すのは大変かもしれませんが実際に先輩が院試に落ちて1週間で内定をもらった事例があります.僕の研究室にもとある企業の人事の方が「院試に落ちたら最終面接以外はパスするから是非うちに」と尋ねて来られたことがあります.最近は人手不足ですからね...

進学を考えている人にとっての”良い研究室”とは?

さて,一番書きたかったところです.基本的にこのブログを見ている人は鳥人間の関係者でしょうから,進学を第一に考えている人ばかりでしょう(偏見)

まず,何が何でも入るべきではない研究室の特徴を先に書きます.

1.教員が退官間近の研究室

2.アカハラの噂が酷い研究室

3.予算を全く獲得できていない研究室

 1.についてはどんなに優秀な教授でも居なくなれば意味がありません.最悪なのは大学院進学と同時に退官される場合です.ぶっちゃけテーマが修士から変わり1年が無駄になります.

2.については幾らメンタルに自信があっても入ったらダメです.研究室は閉鎖された世界で教授が王様です.教授に気に入られなかった瞬間に研究者としての人生が終わります.このような研究室は修士や博士といった人がほとんどいないか,居たとしても外国人留学生だらけで研究の悩みを相談する人が全く居ない環境になりがちです.

3.金がなければ何もできません.工学の研究は実験設備と金が全てです.その研究室の教員の外部資金獲得状況を見ればお金があるかはわかります.酷い研究室になると,お金がなくて実験できないなどの噂が流れます.本学にも1つある...

 

 上記の3点を念頭に”良い研究室”を考えます.

1.教員の人数が多い研究室

2.博士課程の学生の数が多い研究室

3.教育を考えた教授がいる研究室

4.学生の学会発表の機会が多い研究室

5.実験設備が充実している研究室

 1.教員の数に比例して研究室へ配属される学生の数も多くなります.基本的に准教授,教授クラスの人は自分は直接研究はせずにマネジメントに集中されるので,研究成果は学生が出します.つまり,学生の数が多ければその研究室の研究成果も増えます.

2.博士課程に行くような学生は基本的にトップクラスに優秀です.先ほど研究は学生が行うと書きましたが,研究の進め方や実験のノウハウなどは博士課程の学生が一番わかっています.また,忙しい教員に代わって研究室の仕事をしてくれるのも博士課程の学生です.

3.私が今まで見てきた中で大学教員には3種類の人がいます.自分の研究のことだけを考えている人,なぜかやる気が全くない人,学生の教育を考えて成長できる機会を提供する人.この三つです.教育を考えている人はすぐにわかります.講義が面白いです.講義に対する姿勢でどのような教員かはすぐにわかるので講義はしっかり受けましょう.

4.ドクターへの進学を考えるなら最も重要なことです.論文を出させてもらえないと学振もらえません.先の3.の項目と少し被りますが,教育を重視する人ほど学生に学会発表や論文投稿をさせます.結局どんな研究も外に向けて発表しなければ評価はしてもらえません.

5.何度でも言います研究はお金が全てです.金が無ければ実験装置は買えません.お金がある研究室かどうかは研究室訪問の際に実験器具を見るか,教員の名前でググると獲得している予算がわかるので参考にしましょう.最近は企業との共同研究で予算を得ている研究室もあるので共同研究をしているか聞いてみるといいかもしれません.

まとめ

簡単に”良い研究室”について書きました.研究室配属を控えた学生は情報収集に奔走します.先輩や同級生の意見を参考にしつつ,けれども振り回されることの無いようにしましょう.この記事が研究室選びの一助になれば幸いです.